パフォーミング・アート・センター blog
野沢那智が設立した声優・俳優養成校パフォーミング・アート・センターの最新情報を紹介!
「殺戮ゲーム・2011」上演が終了しました。
こんにちは!
パフォーミング・アート・センター スタッフ後藤です。
先週、上演実習「殺戮ゲーム・2011」が無事終了しました。
出演者22名で作り上げた今回の公演は、当校としてはかなり珍しく、実験性の高い『不条理劇』の上演となりました。
不条理劇といえば、ベケットの「ゴドーを待ちながら」が有名だと思います。タイトルを聞いたことがある人も多いでしょう。
今回の上演パンフレット用に演出の木島恭氏から寄せられたコメントを一部引用させていただきます。
「不条理の扱うものは『死』であり、『言語の崩壊(コミュニケーションの不在)』であり、社会そのものの矛盾、『疎外』です。」
また、上演パンフレットに当校代表野沢聡からのごあいさつとして掲載した文章を一部引用します。
「物語の状況の説明もかねる肉がついていない、余分なものが削ぎ落された本質しか書かれていない台本から、求められる解釈を読み取るだけでなく、自分で選択し、決定し、作っていく作業を通して、己の演劇観・演技観とどのように正面から向き合えるようになるか?そしてまた、自分の中にどのような哲学を生み出すことが出来るか?」
このような意図のもとに上演された今回の「殺戮ゲーム・2011」でした。
果たして、上演実習に参加した生徒たちは、この実習を通してどんなことを感じ、どんなことを学んだでしょうか。そして、今後どのように成長してゆくのでしょうか。
出演者たちは本編では顔は白塗りに黒のシャドウ、衣装や小道具なども白と黒で統一され、動きや道具の配置などは抽象的な技法を用いて演出されていました。
私が最も驚いたのは、道具の配置と俳優の動きを、「上(うえ)と下(した)」の概念を壊して構成されたシーンでした。現実世界の「床」は舞台上では「床」ではなく、横が下になり下が上になる。
美術でいうところのダダイズムとかシュルレアリズムの手法が演劇ではこんなふうになるのだなあと感じました。
モノクロームの世界から、終盤では一変し、白塗りは落とされ、衣装や小道具も色鮮やかな世界に展開します。現実世界にやってきたかと思いきやふたたびモノクロームに戻り、不条理の世界で終わります。
私はとても面白く感じました。
出演者にとっても、きっと良い経験になったのではないでしょうか?
最後に、初日開演直前の楽屋風景を少しだけご紹介します。
直前まで衣装の手直しをしています。
白塗り真っ最中のところを撮らせてもらいました。
ここまでしっかりと白塗りをする機会はあまりないのではないでしょうか。
きっと、まんざらでもないはず(笑)
パフォーミング・アート・センターで行われる次回の上演実習は、12月に落語の会を予定しています。
詳細が決定しましたら、このブログやホームページでもご案内します。
それでは、また!
[2011/09/30 10:49]
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